私がロルフィングで大切にしていること(2018年加筆)
私が大切にしていること
「われわれがなに心なく自然に向かった時、そこでまず眼に映るものはそれぞれの”すがた・かたち”でしょう。その時のそれらはことごとく生きている。これに対し、もしわれわれの眼がそれらの”しくみ・しかけ”にしか届かないような時、それらのすべてはただ思惑の対象としての無性の物体となるだけではないでしょうか。生きているのは”すがた・かたち”であってしかけしくみではない。」
医学博士故・三木成夫博士著書、人間生命の誕生より引用
整骨院で働き始めた時から抱いていた”治療とはなんだろうか”という思いに悩み治療ではなく身体教育といわれるロルフィングに至った自分が頭に記しておきたい一文です。文字通り治療には「(なお)治す」事が最優先されることからそのしくみを考えざるを得ません。
例えば、局所の痛みを考える時の解剖学的な知識はこころではなく、あたまの活動を優位にします。勿論解剖や生理学の知識がある以上あたまで考えることは必須ですが、自らにとってそのバランスを”しかけ”寄りではなく”すがた・かたち”に重きを置くというのは常に大切なポイントです。そこにこそロルフィングを選択した真意があるのではないかと思います。
先生ではなくロルファー、患者さんではなくクライアントさん、施術ではなくセッション。ただ言葉が横文字になっただけではなく前者は今では自分にしっくり来ないものとなりました。それは自分を中心に物事を映すということから離れてきた結果ではないかと思います。治療者だったからこそ、身体のすがた・かたちに焦点をあてるロルフィングを提供するということを私は大切にしています。
部屋を訪れて来られるほとんどの方はどこかに身体の不調や、痛みがあり治療を経験されてきたクライアントさんです。
からだの奥の素直な動きに耳を傾けれる、自然とからだをが立ち上がってくるのを見守れるロルファーでありたいと思っています。